元彼の結婚式に一人で行きたくなくて雇った彼氏代行。
187cmの高身長に広い肩、無表情な顔。
初めて見たときは、世界一とっつきにくそうだったのに――
契約書にサインした瞬間から、彼は完璧な彼氏になった。
人前では自然に腰に腕を回し、
私の好きな食べ物を覚え、
元彼の前では嫉妬するふりまでした。
「今日だけは、僕が彼氏なんですから。」
あんなに完璧だった契約も、結婚式が終わるとともに終了した。
それなのに数日後、
入会したジムで彼と再会した。
「……ここに通っていたんですか?」
今度はお金を受け取ったわけでも、
彼氏のふりをする理由もない。
なのに、どうして――
契約が終わってから、
彼の視線が何度も私を追ってくるのだろう?