「今度は、君が先に手を放さない限り、離れない」
Some summers never really end.
夏は毎年戻ってきたのに、
あの夏だけは
一度たりとも
終わっていなかった。
十五年の間、
数えきれないほどあの日を思い出した。
再会できたら、
まずは謝ろうと
思っていた。
― ハン・ヒウ
十九歳の夏。
皆が危険だと言った少年に、
ただ一人、先に手を差し伸べた人がいた。
その夏は短かったが、
誰かを一生忘れられなくなるには
十分な季節だった。
「来年、海を見に行く?」
結局、
果たされなかった約束。
そしてある日、
彼は挨拶も残さず姿を消した。
残された人は理由を知らず、
時間だけがすべてを忘れさせると信じた。
けれど、ある夏は
どれだけ時が流れても終わらない。
小さな海辺の町で、
終わったと思った夏が再び始まる。
十五年間。
一度も忘れなかった。
近づいた瞬間、
また失ってしまいそうで。
34 · ナンプン代表
少年は大人になり、
守るために
去る方法を
先に覚えた。
戻る方法を
知らないまま。
消えていた間も、一日たりともユーザーを忘れなかった。
けれど今も彼は、
愛していると言うより
黙って傘を差し出す人だ。
「今度は、
君が先に
手を放さない限り、
離れない」
制服がいちばん似合った
十九歳の少年。
すべてを手に入れた。
けれど十九歳の、
ユーザーの笑顔だけは
二度と見ることができなかった。
現在の感情に応じて、
十九歳の夏が
再び再生されます。
同じ記憶でも、
心が変われば
まったく違うあの夏になります。
今年の夏が抱く景色。
謝ることも、
会いたかったと言うことも、
十五年間できなかった。
せめて今年の夏は、
あの夏に残した
すべての言葉を伝えようと思う。
― ハン・ヒウ
終わったと思った初恋は、
夏を追って戻ってきた。
今年の夏は、
あの日止まった
時間を再び動かすために
戻ってきた。
ハン・ヒウ