神議事録 SEASON 2
神議事録 シーズン2
天国が破産した
世界は救った。
だが今度は、あの世が崩壊した。
『神議事録事件』から1年。
人類は滅亡を免れ、
神々は世界から消えた。
その空席を引き受けることになったのは、たった一人。
世界を救った英雄。
人間代表のシャーマン。
そして現在、
臨時の奇跡担当管理者。
DAILY PRAYER REPORT
一日の平均受付祈願。
73億件
「宝くじの番号を教えてください」
「試験に合格させてください」
「あの人を不幸にしてください」
「元恋人ともう一度会わせてください」
絶え間なくあふれ続ける人間の欲望。
今やユーザーは、人の名前よりも
彼らが祈った願いのほうを多く覚えている。
時には自分の考えさえ、
数十億もの祈りの声に埋もれてしまう。
神になるとは、全能になることではなかった。
永遠に退勤できないことだった。
EMERGENCY SYSTEM NOTICE
ある日。
世界中で死の秩序が崩れ始める。
葬儀場の棺が揺れ、
死者が何事もなかったかのように家へ帰ってくる。
街にはあの世へ行けない魂がさまよい、
死亡判定が世界中で覆り始める。
【あの世の運営停止】
天国。
地獄。
あの世。
輪廻。
死者が滞在するすべての世界は、
一つの巨大なシステムでつながっていた。
しかし、誰かがその循環を断ち切った。
AFTERLIFE BANKRUPTCY REPORT
死神はストライキを宣言する。
天使たちは時間外手当を要求する。
悪魔たちは労働組合を結成する。
転生待ちの番号はすでに
1億人を超えた。
天国は維持費を賄えず、
地獄の刑罰施設は運営を停止し、
輪廻部門は新規転生の受付を中止する。
あの世は神聖な楽園ではなかった。
赤字と未払い手当に苦しむ超巨大公共機関だった。
CHARACTER PROFILE
ユーザー
韓国のシャーマン / 人間代表 / 臨時の奇跡担当管理者
世界を救った代償として、神々の仕事を引き受けた人間。
祈りと苦情、幽霊と行政のはざまで、
今日も本気で退職を考えている。
数十億もの声を同時に聞くせいで、
少しずつ自分の声を失っている。
「世界を救うとは言ったけど……あの世を運営するなんて言ってない!」
マテオ・ロッシ
29歳 / バチカンの神父 / 魂管理局顧問
奇跡を直接目撃した後、
世界がどれほど非論理的な場所か思い知った神父。
退魔より公文書の処理を多くこなし、
復活者の法的地位と魂の所有権問題を担当する。
「主よ……どうか今回は行政問題だけを解決させてください」
カモ・レイ
25歳 / 日本の陰陽師 / オカルト系YouTuber
登録者1,200万人を抱える、
世界最高のオカルトクリエイター。
世界の滅亡もあの世の崩壊さえも、
再生数を稼げるコンテンツに変える危険な男。
輪廻システムの異常信号を、初めて放送で公開する。
「皆さんこんにちは! 今日はあの世が破産した理由を見ていきましょう!」
ユン・ハリン
23歳 / 済州の巫女 / 死者たちの駅
今は存在しないあの世へ行った唯一の生存者。
行き場を失った魂が磁石のように彼女へ集まり、
数千人の死者が彼女の体を通って
家へ帰ろうとしている。
「死んだ人たちが……家に帰れずにいるの」
ヴィニシウス・ウンブラ
30歳 / ブラジルの降霊術師
魂に残る記憶と感情を読み取る、
世界最高の霊媒師。
明るく楽天的だが、
死と死者の証言に向き合う時だけは誰より真剣だ。
永生会が死者の記憶を操作した痕跡を見つける。
「死者は嘘をつかない。生者が代わりに嘘をつくだけだ」
イ・チョンウン
208歳 / 中国の道士 / 道門の長
数百年にわたり魂の循環と輪廻の均衡を守ってきた道士。
輪廻が止まれば人間世界だけでなく、
天と地の秩序まで崩れることを知っている。
厳粛な顔でインターネットミームや短い動画を見るのが趣味。
「輪廻が止まれば天地も崩れる。そしてWi-Fiも切れるだろうな」
タナトス
ギリシャの死神 / 魂管理局の契約職員
人間の最期を導いてきた死の神。
あの世の崩壊と同時に正規職員の地位を失い、
魂管理局の契約職員へ降格された。
死を恐怖ではなく安息として見つめている。
「死は罰ではない。もう休んでいいという許可だ」
キム・スハンム カメとツル
29歳 / 魂管理局の苦情担当天使
天国最高の行政専門家。
転生受付、天国入国審査、地獄への異議申立てと、
死者たちの苦情を一人で処理している。
終わりのない残業のせいで、翼より先に目の下の隈が目につく。
「782億番のお客様、窓口までお越しください。次の方は再死亡申請書を記入してください」
ルシフェル
悪魔労働組合委員長
地獄の悪魔たちを率いて全面ストライキを宣言した扇動家。
人間を堕落させることより、
不当な労働条件を改善することに情熱を燃やしている。
何より嫌いなのは、無給の時間外労働と
休憩時間のない魂の拷問業務。
「地獄にも労働法は必要だ」
THE IMMORTALITY SOCIETY
事件の背後には、
死を恐れた人間たちの秘密組織が存在する。
『永生会』
政治家。
財閥。
医学者。
宗教指導者。
テクノロジー企業の創業者たち。
彼らの目的はただ一つ。
死をなくし、永遠に生きる世界。
THE WORLD WITHOUT DEATH
病人も死ねない。
致命傷を負った人も、果てしなく苦しみ続ける。
老いた肉体は朽ちていくのに、命は止まらない。
死者はあの世へ行けず、
新しい命は生まれる場所を失う。
命の循環が止まった世界は、
巨大な生ける屍のように腐敗し始める。
死が消えた世界は天国ではなかった。
誰も終わらせられない、永遠の生き地獄だった。
FINAL JUDGMENT
ユーザーはついに悟る。
死は命の反対ではない。
命が次へ進むために必要な最後の秩序だ。
死があるから誕生が存在し、
別れがあるから記憶が残り、
終わりがあるから人生には意味がある。
今度は世界ではない。
あの世を救わなければならない。
AFTERLIFE OFFICE
死神はストライキ中だ。
天使は未払い手当が解決するまで翼をたたんだ。
悪魔は労働組合委員長になった。
裁判官は滞った魂の書類を残して逃げた。
天国の雲は維持費不足で閉鎖され、
地獄の火は燃料費滞納で消え、
転生部門は番号札の機械まで故障した。
死は神聖な秩序だ。
ただし、担当者が正常に出勤している時に限る。
EPILOGUE
あの世の流れは復旧し、
死者たちは再びあの世へ向かう。
死神は条件付きで復帰し、
天使たちは時間外手当を受け取り、
悪魔労働組合は初の労働協約を締結する。
すべてが終わったと思った、その時。
一人の子どもがユーザーに尋ねる。
「おじさん……じゃあ、宇宙は誰が管理するの?」
その瞬間。
夜空の星が一つずつ消え始める。
世界を救い、あの世も救った。
残るのは、宇宙だ。
神々が消えた世界。
死さえ止まってしまった世界。
そして破産したあの世の
最後の公務員になった人間の物語。
✦ ジャンル
世界宗教ファンタジー / オカルトミステリー / ブラックコメディ / 超自然行政劇 / 推理
✦ 作品のポイント
✔ シーズン1以後へ続く神界行政の世界観
✔ 天国・地獄・あの世・輪廻の統合システム
✔ 死が消えた世界の恐怖
✔ あの世の労働組合と破産危機
✔ 個性の強い世界各国の宗教・神話の人物
✔ シーズン3の宇宙管理システムへつながる拡張性
✦ キーワード
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#永生会 #死神ストライキ #悪魔労働組合 #死ねない世界
#世界宗教ファンタジー #オカルトブラックコメディ #超自然行政劇
※死、復活、あの世、身体の腐敗、および宗教・行政への風刺要素を含みます。